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朗読に適した台本を探すヒント

子供に読み聞かせる時や、大人相手の様々なイベントなどで、朗読を活用する機会は多くあります。

プロの俳優でなくても、読み方やほんの少しの表現を工夫するだけで、目の前に広がる世界は無限大に広がり、聴く人に深い感銘を与える事ができます。

催し物の種類や方向性によって、どの様なものを読めばより確実に盛り上がるかが決まってくるため、台本選びは極めて重要です。

狙った効果を得るためにも、的確に選べるコツをいくつか頭に入れておきましょう。
まず、朗読を聞きに来る人たちの層を把握します。

年齢はどのくらいなのか、性別は男女のどちらが多いのか、イベント自体の趣旨は何なのか、など、様々な要素が絡んできます。

例えば年齢層については、子供が多いのであれば、スタンダードな昔話や童話などは、長い歴史に裏打ちされたよさを持っているため、間違い無く盛り上げる事ができます。
これらのタイプの台本は、読む側も内容を熟知している事が多い為、より深く内容を表現しする事が容易にできます。

他にも、登場するキャラクターが大げさな話し方をする、表情がよく変わるなどの、笑いを生みやすい表現のできる様なものを選ぶのも効果的でしょう。

子供は大人と比べると集中力のもつ時間が短く、様々なトリックを交えた時間にする事で、より長く引きつけておく事ができますので、それを頭に入れてセレクションをすると良いでしょう。

反対に大人の場合は、人気のあるエッセイストの作品や、売れ行きが良く社会的にも認知されている作品などを選ぶとき面白いかもしれません。

話題性のあるものに対しての反応は概ね良く、まだ読んでいないけれども内容を知りたいと思っていた、といったような興味を引きつけやすく、朗読を盛り上げる事に繋がります。

大人が相手の場合も、子供の場合ほどではありませんがシャレの要素を生かした軽い感じで読み進めて行くと良いでしょう。

場の空気を重たくする事なく、とにかく楽しい雰囲気で進めて行くと、聞きにきた人の誰もが喜ぶ結果を生む事ができます。

これには例外もあって、例えば戦争と平和に関するイベントなどで、戦争の体験者による手記や詩などを朗読する、という局面も考えられます。

このような場合には、反対に重々しく、ありったけの思いを込めて朗読するようにしましょう。

作品に対する敬意と、平和への強い思いを表現するという意味でも、自分の気持ちをストレートに表現し、言葉のひとつひとつに乗せていくような気持ちで読みます。

こうする事で、楽しい雰囲気を作る時と同じように厳粛な空気を自ら作り出す事ができ、催し物の雰囲気にふさわしい、厳粛で感動的な時間を演出する事ができます。

基本的には、聞く人の共感を得るにはどのようなトーンにしたら良いのか、という風に考えると良いでしょう。

日常会話で相手との間合いを読むのと全く同じ事だと思えば難しくはないはずです。
場の空気をその都度感じながら、時に重々しく、時に軽く、思ったままに表現する事で、面白い時間を全員で共有できます。

そのような表現にふさわしい台本は、読む人が内容を把握しやすく、テーマがストレートで分かりやすいものが良いでしょう。

本当に伝えたいテーマがひとつ、分かりやすく存在していて、そこにたどり着くためのストーリーや細かな表現で遊んでいるようなものであれば、聞く人を飽きさせる事なく、それでいて笑いや緊張などの緩急も生まれやすくなります。

自分のお気に入りの本や作家の作品の中から、これを表現したいと思うものを選びましょう。

この他にも、朗読のテクニックに自信があるのであれば、戯曲にチャレンジするのも面白いかもしれません。

戯曲とは、演劇を上演するために書かれた本の事で、演劇が上演される時に使われる台本と全く同じ形式で書かれています。

全ての言葉がセリフとして書いてあるため、そのまま読めば自然な会話や、心の声になります。

ここで気を付けなくてはならないのが、小説などではその場のシチュエーションや情景なども言葉として書かれてあるので分かりやすいですが、戯曲ではそれを演技として表さなくてはならない事です。

例えば、寒い雪の朝の場面では、小説であればその雪景色の白い美しさ、寒さなどが言葉で描写されていますが、戯曲で表現する場合は声のトーンや、震えなどで表さなくてはなりません。

この様に、高度な難しさがありますが、元々人間が発する声による言葉での表現のために書かれた作品であるため、成功した時に作り出せる世界観は格別なものがあります。
また、仮に失敗したとしても、セリフを懸命にしゃべっている様子を見てもらうのには、また別な面白さがあり、違った形で会場を盛り上げる事が出来るかもしれません。
この様に、活用できる作品は幅広く、挑戦の仕方次第でどの様なものでも盛り上げる事ができます。

様々な要素を検討した上で、最も適切な台本を選ぶ様にすると、その場を思い出深い時間にする事が出来るでしょう。