声の達人になるためのブログ

問題は人生で常に登場して解決されていく

東京アナウンス学院出身者の通学時のエピソード

今では地下鉄の線路が伸びて最寄り駅ができましたが、当時の通学は容易ではありませんでした。なぜなら、駅から校舎までは徒歩でしか行けない道のりが結構長くあったからです。寝坊をしてしまうと近道がなかったのでそのまま遅刻してしまうことになってしまいます。

 

また、高層ビル街を突き抜けて行くためにビル風には大変悩まされました。せっかくヘアスタイルを決めても台無しになってしまうことも多々ありました。

 

それでも声優を目指す私達は夢と希望を抱き、意気揚々と通学したものです。自分のやりたいことを学ぶために通うのですから、実際は遅刻などせずに毎日きちんと通学しました。むしろ早く到着したくて毎朝早起きをし、あまりに早く家を出過ぎて途中の駅でブラブラと時間を潰していたら、補導員に未成年者の家出人かと勘違いされて声を掛けられたことがありました。学生証を見せて納得していただけましたが、その日以来あまり早く家を出るのはやめようと思いました。

 

授業で課題が出されると、そのほとんどが台詞や文章を暗記する必要があったため、通学時間も無駄にしたくないと考え、そのようなときは電車の車内や歩きながらに教材を片手にブツブツと台詞や文章を覚えながら通学していたこともありましたが、今考えると周囲からは変な目で見られていたかもしれません。校舎までの道のりは遠かったものの周囲の環境はとても良い場所でした。

 

授業が終わると学費や生活費を稼ぐためにアルバイトをしていた人は少なくなく、周囲にはアルバイトができる店舗がたくさんありましたので、近くでアルバイトをしている同級生のところへ冷やかしに立ち寄ったりもしました。授業が終わるとお腹が空き、買い食いしながら友人との話題は、授業のことなどの情報交換や将来についてのことばかりでした。

 

帰り道はアルバイトや情報交換だけではなく、少しでも声優を目指す将来のために身になることをしたいと考える人が多くいたことで、ダンスやボイストレーニングといったような様々な習い事をする人がいたり、学校と同時に今だとミツヤプロジェクトのような場所に通う人もいました。

 

私は通学の間にアルバイトをしたり、友人達と真剣に話をする場や楽しくおしゃべりする時間を取ったりしていましたが、情報を貪欲に収集したかったので、本屋に立ち寄り専門書を買ったり、映画鑑賞、音楽鑑賞、演劇鑑賞などをしていました。

 

また、学校以外で活動の場を持ちたくて小さな劇団に所属していましたので、その活動に頻繁に参加していました。特に公演が決まると遅くまで練習をしていたので終電に間に合わなくなることもあり、そのようなときは学校の近くに住んでいる友人の家に泊めてもらったりしていました。

 

在学中は授業の時間帯が短かったわけではなかったのに、今振り返ってみると、どのように時間をやりくりしていたのだろうと我ながら驚いてしまうほどに時間を有効に使い、通学時に行きも帰りも本当に多くのことをしてきました。そんな私ですが通学時での後悔がひとつだけあるのです。

 

それは、校舎の近くに大きな公園があったのですが、当時はその公園がテレビなどのロケに利用されることが多くあり、様々な芸能人をよく見かけたのですが、当時私の好きだった役者が出演するドラマのロケが頻繁にあり、ほとんどの友人達がその役者を見かけていたのに、なぜか大ファンの私だけがその役者と会うことができなかったということです。

 

それ以外は在学中に毎日熱心に通学していた自分の姿を思い出し、あそこまで熱意を持って学校に通うことなど、小学校、中学校、高校でもなかったことだったので、あの当時真剣だった自分によく頑張ったと心から拍手を送りたいです。