声の達人になるためのブログ

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演技力を磨くために日頃から意識してやっておくべきこと

テレビや映画、舞台で活躍される役者の方を見て、自分もこんな素晴らしい演技をしてみたいと思われた方もいらっしゃることだと思います。


今第一線で活躍されている方も、誰にだって演技初心者だった頃があります。しかし努力をし、経験を重ねた上で今があるのですから、例え今が初心者だったとしても、地道に努力を積み重ねていくことで同等、それ以上の演技力を得られるということも夢ではないはずです。

 

そもそも、演技力とは一体どういうものなのでしょうか。


感情豊かに台詞を言うことでしょうか。役にのめり込み、なりきることを言うのでしょうか。


恐らく上記のどちらもまちがってはいないのかもしれませんが、どこか独りよがりにも聞こえてしまいます。


演技力の根底にあるのは、コミュニケーションをとるということです。


登場人物たちのいる世界、自分以外のキャラクター、その場の状況といったものと上手くコミュニケーションが取れなければ、せっかくの演技もちぐはぐなものになってしまいます。


コミュニケーションをとる力が高いということが、演技の力量が高いということに繋がるのです。

 

演技力向上のためには、他にも押さえておくべきポイントがあります。
それが「発声」「表情」「表現」です。


コミュニケーション力と合わせて、これら基礎の力をつけることで演技の力量も上がっていきます。


まずは「発声」です。


声が相手に届いていなかったり、お客さんに聞こえていなければ、どんなに良い演技をしていても意味がなく、表現が出来ていないと思われても仕方がないと言えます。


声をはっきり、また大きく出すポイントはお腹を上手く使うことです。


よくお腹から声を出せと言ったりしますが、あれは声を出す際お腹に圧をかけることで、声を大きく、通りやすくするからなのです。


お腹から声を出すために、まず腹式呼吸に慣れることから始めてみるのがいいのではないでしょうか。


やり方としては、最初は仰向けに寝転がり、お腹が膨らむのを意識しながら呼吸をします。


徐々に慣れ、出来るようになってきたら、立ち上がった状態で同じように呼吸をします。


立ち上がった状態でも問題なく出来るようになったら、「あー」と声を出しましょう。吸い込んだ空気が吐き出されることで腹圧がかかり、声量も大きくなっているはずです。


出している声がクリアに聞こえるようになったら、きちんとした発声が出来ている証となります。


発声は続けていくほどに良くなっていきます。毎日こつこつと練習をすることが重要です。


次に「表情」です。


悲しいけど笑っている、笑っているけど怒っているなどの感情には様々な例外がありますが、基本的に人間の感情は喜怒哀楽です。


鏡の前で様々な感情を表す表情を作り、自分がどんな顔をするのか把握しておくことも大切です。


自分の顔を鏡で見ることはあっても、表情を持った顔を見ることは中々ないものではないでしょうか。定期的に確認することで、表情のトレーニングにもなります。


最後に「表現」です。


表現が上手く出来ているかは自分では分かりづらいものです。


きちんと相手に伝わっているかは、他者でないと分かりません。演技しているところを誰かに見てもらい、感情や思いなどきちんと伝わったかどうか確かめてください。


相手に伝えるということが演技では最も大切です。独りよがりの演技にならないよう、心がけてください。

 

とはいえ練習やトレーニングさえしていれば、演技が上達していくかといえばそうではありません。


実は身の回りにも演技上達に繋がるヒントが落ちているものです。


例えば、台本を覚えるという行動。台詞を覚えようと、つい自分の台詞だけに目を通しがちですが、それでは演技に良い影響を及ぼしません。


先述したとおり、演技はコミュニケーションで成り立っています。自分の台詞の抜粋だけではコミュニケーションになりません。


何故、自分がこの台詞を言うのか。何故、相手からこの台詞を投げかけられるのか。


言葉一つ一つに「何故だろう」の気持ちを持ち、その言葉に込められた感情や考えを読み解くことが演技をする中で大切になっていきます。


また、役者さんの中にはよく人間観察を趣味としておられる方がいらっしゃいますが、あれも演技力の向上に一役買ってくれます。


役者の表現力は、自分の引き出しの中にどれだけの経験が詰まっているかに係っています。


勿論自分が経験したことも重要ですが、その物事を目にするということだけでも大きな糧になります。


自分が感銘を受けたもの、街で出会った人や、起こった物事などノートに書き起こしていくなどして、覚えておくということが、明日の表現力に幅を作っていきます。

 

小手先の演技では誰も感動しないばかりか、何の感情も抱けずしらけてしまいます。
努力の一つ一つは小さく、地味なものも多いですが、それがいつか演技をする中でなくてはならなかったものになるのではないでしょうか。


憧れの舞台に向かって、まずは一歩踏み出してみてください。