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エロゲ裏家業で声優さんが高いギャラと引き換えに得るものとは

普通のアニメで名前が売れている声優さんが裏でエロゲ出演にいそしむ…実は良くある話です。ネームバリューのある声優さんがエロゲに出演したら、それだけで相当な宣伝効果。

 

製作側としてはウハウハものだと思いますが、残念ながら大概の声優さんは普通のアニメとエロゲでは芸名を変えています。

声優さんのお財布の救世主・エロゲ

理由としては、やはりエロゲはアダルトコンテンツなのでイメージダウンに繋がってしまうためとのこと。確かに、サザエさんドラえもんといった国民的な子供向けアニメにエロゲ声優さんが出たとしたら、親御さんから相当なバッシングが来そうです。


ではなぜ、イメージダウンのリスクを背負ってまで彼らはエロゲに出演するのでしょう。理由は単純、アニメと比べてギャラが良いからです。

 

アニメはデビューして3年間のジュニア期間と呼ばれる間は、固定で1本15,000円となります。セリフや単語の数に関わらず一律です。その後は声優さんの技量や経験年数によりA~Fのランクに分かれます。マックスのAランクでも45,000円ですから、さほど割が良いとは言えません。

 

このランクを超える実力が身に付けば金額は言い値になりますが、平均的な声優さんの月収は160,000円程度、お世辞にも稼げる仕事とは言えないようです。一方、エロゲであれば一本出演すれば平均的な月収程度の報酬がもらえます。

○エロゲのギャラは何故良いか

何故ギャラが良いかというと、まずは作品一本当たりの時間が長いことが挙げられます。アニメは1本30分という規定がありますが、ゲームは制限がありません。当然その分ギャラも良くなります。

 

また、エロゲのギャラはアニメのようにセリフ数に関わらず一律ということはありません。エロゲのギャラは、「ワード」と呼ばれる、大体一息で言える位の長さのセリフ数に単価を掛けた価格となります。つまり、しゃべればしゃべる程報酬がもらえる訳です。

 

単価の相場は、脇役あるいは新人であれば50円、主役あるいはベテランであれば100円となります。セリフ数の目安は大体脚本一本で3,000~15,000ワードになります。計算すると、脇役級でも最悪150,000円、ベテラン級が長い作品で主役を張れば1作品に付き1,500,000円の収入も夢ではありません。平均的な声優の月収と比較すると、相当な額であることがお分かりいただけましたでしょうか。

 

エロゲのギャラがアニメと比べて随分と高い理由について、はっきりしたことは分かっていません。なんでも、ゲームに音声が入れられるようになった時、担当者が適当に提示したギャラが相場よりだいぶ高く、それがそのまま残ってしまったという冗談みたいな話が囁かれているそうですが…。

高いギャラと引き換えの恥ずかしさと喉への負担

/>そんなこんなで、芸名を変えてエロゲでせっせと稼ぐ声優さんが多いのが現実です。エロゲはある程度パターンもキャラも固定されているし、ストーリーも似たようなものだから、楽して稼げる良い仕事なんだろうな、とお思いになるかもしれませんが、それは大きな間違いです。エロゲには実はそれなりに高いスキルが要求されます。

 

いや、スキル云々以前に、普通の神経を持った女性であれば人前で卑猥なセリフを言わされたり、あられもない喘ぎ声や、いわゆる「チュパ音」を出したりすることそれ自体が相当なストレスです。しかも、意を決してそのような演技をしてみたところであっさりとダメ出しされることも普通にあるわけです。ちなみに、男性でもBLものの作品に出ている声優さんも数多くいますが、男性であれば尚更恥ずかしいかもしれません。

 

喘ぎ声やチュパ音は文字で書けば普通にワンパターンなものです。もちろん、ライターさんもプロですから、雰囲気や状況は伝わるようには書きますが、文字で書かれた擬音を臨場感たっぷりに生々しく声で再現するというのはなかなか技術がいります。

 

文字で読む限りではワンパターンな声も抑揚をつけて上手く表現しなくてはいけませんし、声だけでなく呼吸の荒さも表現しないとリアリティがありません。しかもこのような演技は、どうしても声優の命である喉を痛めてしまいがちです。

顔出しに値引き…裏稼業を襲うシビアな現実

しかも、エロゲを裏の商売として稼ぐ声優さんを情け容赦なく襲うのが「顔出し要請」です。アニメ業界では、名前が売れた声優さんを表舞台に引っ張り出してイベントをすることも多く、普通のタレント並みに可愛い声優さんも数多くいますが、この波がエロゲ業界にも襲い掛かってきています。

 

アニメ程容姿や年齢がシビアに見られることは無いようですが、裏の仕事としてエロゲに関わっている多くの声優さん達にとっては、あまりありがたく無い話です。顔出しが業界標準になると、エロゲと普通のアニメで分業がなされるかもしれませんね。


また、台本が売れ線から外れていて利益を確保できなさそうな場合は、声優さんに対して値下げ交渉が入ることもあります。それでも、大きな声や激しい喘ぎ声など、喉を痛める可能性がある演技が必要とされる場合は、余り露骨な値下げ交渉は少ないようですが、場合によっては2割近く値下げされることもあるようです。

 

仕事欲しさに余り調子良く値下げ交渉に応じていると、長い目で見れば声優さん全体のギャラを下げてしまうことにもつながります。


無茶な値引きを避けるために、自分のウェブサイトに一文字幾らと最低価格を書いておく声優さんもいますが、それを超えて値引きを要求してくる制作側もいます。値引き交渉をどこまで受けるか、どこまで戦うかは声優さんにとって永遠のテーマです。